【完】好きなんだからしょうがないだろ?
・帝王と苺と時々プリンス
9月も半ばに突入したけどまだまだ残暑の厳しい今日は、体育祭の各参加種目がやっと決まった。
「莉子ってば、引っ張りダコ……」
「運動部所属の宿命、ってやつよ?」
学年別対抗リレーはアンカーまで努める。
さすが、陸上部のスプリンターでエース候補は扱いが違う。
あたしなんて、個人競技は短距離走と定番の借り物競走くらいだ……。
「ていうか三葉、挙動不審すぎ。わたしまで、変な目で見られるじゃないっ……」
相変わらずあたしに付きまとう二代プリンスの噂のせいで、騒がしい教室から廊下へ避難した昼休み。