【完】好きなんだからしょうがないだろ?
なっ、何……?
構えて、数秒、視線と視線が交わった末。
「その男。早く忘れちまえよ、三葉」
ーーードキッ
「……なんで、あたしの名前を」
「その変なカードに書いてあんだろ」
三葉……と、轟先輩がもう一度口にした直後。
「なんでお前がこんなとこにいんだよ?」
背後から不機嫌な声色を帯びる声が響いた。
嫌な、予感……。
まさかアイツの話をしてたから空耳じゃ……。
「おい、三葉」
なんて、そのまさかは起こるハズもなく。
「……れ、玲央?」