【完】好きなんだからしょうがないだろ?
ざわざわした教室の入り口で縮こまるあたしへ、容赦なく注がれる女の子の怒り視線には消えてしまいたいくらいだ。
「私、知らなかったなぁ。麻白さんが、あの帝王の彼女だったなんて……ねっ?」
ピタリ、と。
静まり返るこの場は北極か何かですか……?
「だから、そ……っ、それは誤解で……」
「誤解?轟先輩に抱き締められてたのに?」
まるで、御木本さんが悪魔に見えたのはきっと錯覚だと思いたい……。
「ちょっと!!三葉は誤解だって言ってるでしょう!?アンタ、何が言いたいの?」
目を細くして見ていた莉子が割って入ってくる。