【完】好きなんだからしょうがないだろ?
・二人の夜はハニースパイス
ーーー午後9時を過ぎたと思う。
ち、違う………。
きっと、こんなハズじゃなかったんだ。
お風呂も入ったし、アプリでつけてる日課のカロリー計算も、それから莉子との他愛ないラインもして、あとは安らかに寝るだけの夜だったのに……。
ただ、一つだけ違うことが起きた。
「おい、警戒しすぎだろ?」
「……別に、警戒なんてしてない、よ?」
あたしが今いる部屋は自分の部屋ではなくて。
お隣の、大嫌いな玲央の部屋だった。