【完】好きなんだからしょうがないだろ?
「はぁ?オレは風呂から出たとこだ。だいたいお前が呼び鈴鳴らしまくってたんだろ?」
「だって……」
お姉ちゃんがあんな空き巣の話なんかしてくるからいけないんだ。
「それにお前な」
言いながら玲央は黒い無地のTシャツを着る。
殺風景のリビングにポンっと置かれたソファ。
そこに置物のようにうずくまるあたしへと無遠慮に近づいてくる。
「な、なによ……?」
ちょっと屈んであたしへ目線を合わせる。
「“一人で平気”、とか大口叩いてたのは誰だよ?」
「うっ……」