【完】好きなんだからしょうがないだろ?



心臓が暴れて身体中が熱に侵食されていく。



「そっ、そうだよ……!だから、玲央もあたしのこと……」


「やれるもんならやってみろよ?」



挑戦的な口調にはどこか意地の悪さが含まれている。



「オレは忘れてやんねぇよ?」



まるであたしが忘れることなんて許さないとばかりに惑わしてくる……。


ピクッと肩が強張ってドキドキがうるさい。



「それにお前、轟に可愛いなんて言われて浮かれてんじゃねぇよ」



語気が荒々しい。


まわされた腕に力がこもってそこから逃げ出せない気がした。



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