【完】好きなんだからしょうがないだろ?
二回目のキスは酷く甘くて。
悲しくなるくらい優しいキスだった……。
もう、時間は戻せないけれど。
純粋だった幼馴染みの頃には願っても戻れないけど。
「玲央……」
切なさに溢れた瞳は何かを言いたげにあたしを見据えている。
どうして、大嫌いな玲央は早くあたしから消えてくれないんだろう。
なんで、忘れたいって思うほど忘れられないんだろう。
忘れるどころか化膿してる……。
ーーー“泣くほど好きだったんだろ?”
その言葉が今さら痛かった。