【完】好きなんだからしょうがないだろ?
期待のスプリンター莉子のお情けで、この休憩スペースで待たせてもらってる。
綺麗なフォームだなぁ……。
どうしてもこの高校で陸上をやりたいって言ってたから、その眼差しは誰が見ても真剣だ。
………あっ、練習が終わったらしい。
「莉子ー!」
手を挙げたあたしに気づいてこっちへ走ってくる。
う、うん、すごい形相……。
「三葉ぁぁぁああああああ!」
「ヒィッ……!」
ピタッ、と。
足を止めた莉子は真顔に切り替わる。
え?なにこの人大丈夫?と陸上部員誰もが顔に出したが、見て見ぬふり……。
「三葉!アンタどういうつもり!?」