【完】好きなんだからしょうがないだろ?



それなのに、あたしの腰にまわる玲央の腕は、離れるわけでも、余計に力強さを増していく一方だ。



「オレのこと忘れたなんて言わせねぇよ?」



ーーードキッ



一度は離れたハズの距離が再び……いや、さっきよりも近づいた。


バニラの香りが……玲央の、あの頃と変わらない甘い香りに胸が締め付けられる。



「アンタなんて、大嫌い!!だから、消えてください……!」



惑わされてたまるかと渾身の力を出して、あたしは玲央の腕の中から逃げ出した。



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