【完】好きなんだからしょうがないだろ?
見たところ制服が違うことから同じ学校の生徒ではないし。
シュガーマカロンの紙袋を下げて賢そうに見える黒ぶちメガネに穏やかな話し方。
背は割りと普通で、髪型も所謂、無造作だ。
「あれ、覚えてない?」
そう言われても……。
ただ、その声は初めて聞いたとは思わなかった。
ずっと前に聞いた覚えがあって。
「中学の時、同じクラスだったんだけどな……」
中学……その単語に心臓がキリキリした。