【完】好きなんだからしょうがないだろ?
「本当にそう思うの?」
仁科君の問いかけにあたしは言葉を詰まらせる。
「あんなのはただの嫌がらせだったろ。人気者の四ノ宮の幼馴染み……そんな肩書きに拍車をかけたイジメだよ」
「でも……」
もし、あたしが太っていなくて莉子のように誇れるものがあって、芯が強かったら。
御木本さんのように群を抜いて可愛かったら……。
どれも違う。
罵倒されたのは自分の弱さだった。
ただの一度も立ち向かう勇気がなかったから。
変えることはきっと出来たかもしれないのに。