【完】好きなんだからしょうがないだろ?
思い出せばまだ傷は癒えなくて痛むけれど、それを伝えてくれる仁科君に少し救われた気持ちになる。
目が合ってあたしと仁科君はお互いにぎこちなく笑い合った。
「それより、麻白さんすごい変わった。だいぶ痩せたよね?」
「うん……ダイエットして……っ、莉子と一緒に走ったり……」
「面影があったからすぐ麻白さんってわかったけどね?成田さん、まだ陸上頑張ってる?」
「頑張ってるよ。体育祭が近くて張り切ってて」