【完】好きなんだからしょうがないだろ?



「麻白」


「はっ、はい……!!」


「伝えてくれないか?」


「え……?」



既に思考停止状態のあたしに背中を向けた轟先輩の低く重い声。



「二度は言わない」



誰に……?


そう聞き返したかったけれど。


きっと、たぶん。


ーーー“綺麗だ”


その言葉は、たった一人に向けられた言葉だったと思う。



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