【完】好きなんだからしょうがないだろ?
「あっ。あの子だよ、麻白 三葉」
「えーっ、あれがプリンスの幼馴染み?」
「がっかり!超普通じゃない?てか、ダサッ!」
うっ……。
教室の出口の前にはあたしを一目見ようと他のクラスの女子達が集まっている。
うわっ……怖いんですけど……。
「すごっ。三葉、有名人じゃん」
「莉子までやめてよ……っ、」
出来るだけあたしの存在は知られたくない。
周りの刺さるような視線とか、聞こえるか聞こえないかのヒソヒソした声もあたしには怖い。
殺気しか感じないあたしは振り切るようにココアモカをぐびぐび飲み干した。