【完】好きなんだからしょうがないだろ?
きっと、この日があたしの最悪な日々の始まりだったんだ。
高校生になって初めての夏休みが終わり、いよいよ今日から新学期。
そして、あたしは憧れの一人暮らし満喫中。
その理由には苦い苦いブラックコーヒーみたいな思い出があるんだけど、それを忘れてしまいたくてわざわざ地元から電車で三時間は離れてる高校を受験した。
もちろんこの年で一人暮らしなんて危険なわけで、条件として週に二、三回ほど、社会人になったお姉ちゃんの偵察があるんだ……。
朝食はメープルシロップたっぷりのパンケーキ。
ちょっと焦がしたけど、満たされたところでいつも通りに家を出る。
ーーーガチャッ!
「えっ……?」