【完】好きなんだからしょうがないだろ?
「す、好きな人の、隣にいる自分は、ちゃんと女の子として見られたいから……」
ずっと、追いかけてきた……。
背中に汗が滲む。
身体中の温度がみるみるうちに急降下していく。
「ハァ?なに気色悪いこと言ってるの?麻白さん頭おかしいの?」
「あっ、あたしのこと、笑ってもいい……今も怖くて、弱いあたしだけど。でも、あたしは、御木本さんみたいに……っ、誰かを笑ったりする、弱虫にはなりたくない……!」
「私が、弱虫……?」
「あたしは、諦めない……っ、玲央が、見ててくれるなら……諦めたり、したくないから……」
ーーー“だったらオレは、お前が諦めないなら見ててやるから。だから、無理すんなよバーカ”
玲央の言葉がやけに優しく染み渡る……。