【完】好きなんだからしょうがないだろ?
「あっ、四ノ宮君……っ!!これは誤解で……っ、」
「誤解?身勝手にも程があるんじゃねぇの」
「だって!!麻白さんが、勝手に、いきなり泣いて……っ、だからね……、」
「だから?勝手に泣かせないでくれる?」
動揺と焦りから、女子達の口は嘘を紡ぐ中、不意に玲央の腕があたしの腰にまわると、その腕の中へ引き寄せられた。
「コイツのこと泣かせていいのは、オレだけだから」
頭上から降る声は、この場の凍りついた空気を溶かすように、柔らかく囁いていて……。
「し、四ノ宮君……っ?」
女の子の一人が、困惑としか言い様のない声を漏らす。