【完】好きなんだからしょうがないだろ?
あたしも、信じられない言葉に、弾けたように玲央を見上げる。
でも、玲央の顔を映したいのに、涙で滲んでちゃんと見えなくて……。
「玲央君、ちゃんと見てるの……っ!?ま、麻白さんが幼馴染みだからって、そんな庇わなくてもいいんだよ……?」
張りつめた糸が切れたみたいに、御木本さんが一歩飛び出せば、少しくちゃくちゃになった写真を突きつけた。
「言われなくても、ちゃんと見てるんだけど?ガキの頃からずっと」
「な……っ!」
呆れた笑いを静かに吐き出す。
玲央は、あたしから腕をそっと離して御木本さんから乱暴に写真を取り上げた。