【完】好きなんだからしょうがないだろ?
「救いようのないその歪んだ性格直せ。そのうち、顔まで歪んでくるぞ?」
「え?私が、歪んでる……?」
「身の程を知れ」
吐き捨てるプリンスの言葉に、雄叫びのような悲痛の絶叫が響いていた。
「っ、写真……、まだ、あるんだからね!」
「そんなに欲しければやるよ。ちょっと丸いけど、三葉、可愛いだろ?」
御木本さんとは対照的に、なんてことないと涼しい口ぶりで言葉を返した。
ドキッ、と胸の音が弾けるように揺れる。
どうして……玲央の声は、こんなにも優しく包んでくれるんだろう。
「御木本。バイトも来なくていいよ。あの店は、コイツのお気に入りだから」
御木本さんは喉を鳴らして、反論することが出来ず、唇を噛んで不服そうに睨んだ。