【完】好きなんだからしょうがないだろ?
「……れ、玲央君っ!!」
その声に反応することもなく、パシッとあたしの手を掴み、教室のドアに手をかけて目線を向けてくる。
「そろそろ限界なんだけど?」
「げ、限界……?」
目まぐるしい出来事から解放されたみたいに聞き返せば、グイッと引っ張られて、躓いたみたいに玲央との距離が縮まった。
「お前のこと、独占したくてたまんない」
「……っ」
口角を釣り上げてちょっと意地悪に笑う。
ーーーその、甘い言葉に息が止まるかと思った。