【完】好きなんだからしょうがないだろ?



「だから、わかんねぇヤツだな」


「ぎゃあ……!!」


「お前が痩せようと丸っこくても、オレには三葉だってすぐわかるんだよ」


「なっ……」



途端に触れらて胸の奥がキュッと切なくなる。



ーーー“だってさ、それはつまり”



ああ……どうしよう。

さっき仁科君に言われた言葉が脳裏を巡る。


舞い上がりそうになるあたしの頬を玲央が両手で優しく包み込む。



「お前がどこにいても、オレのこと嫌いでもいいんだよ。オレはいつでも、お前のことしか考えてないってことだ」



コツン、と。

おでこを合わせると酷く甘美な台詞を囁いた。



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