【完】好きなんだからしょうがないだろ?
あたしの細胞が玲央だけに反応する。
いつも意地悪なクセに……。
ーーー“いくら麻白さんと離れようとも、麻白さんのこと忘れられなかったんだろう?”
仁科君の言葉に夢を見てもいいのかな。
「あたしも……っ、もう、逃げないから」
だって、自分自身から逃げ出すことは好きな人からも逃げることと同じで。
「玲央が好……」
幼い頃からの想いを込めた決死の告白は、見事に遮られてしまった。
ーーー玲央のとろけるような甘いキスで。