【完】好きなんだからしょうがないだろ?
「も、もしかして体育祭の借り者競走の紙……?」
「さぁ?知らねぇ……」
ぷいっ、と。
そっぽを向いてゆっくりと足を進める玲央の後ろで、あたしは汗ばんだ手のひらをそっと開く。
「嘘……っ、」
嘘だよ、こんなの………。
あたしは、とても信じられない。
そこに書かれてある文字を見た瞬間、目頭が熱くなって、堰を切ったみたいに涙が溢れた。
今さら、こんなのは反則だよ……。