【完】好きなんだからしょうがないだろ?



「も、もしかして体育祭の借り者競走の紙……?」


「さぁ?知らねぇ……」



ぷいっ、と。

そっぽを向いてゆっくりと足を進める玲央の後ろで、あたしは汗ばんだ手のひらをそっと開く。



「嘘……っ、」



嘘だよ、こんなの………。


あたしは、とても信じられない。


そこに書かれてある文字を見た瞬間、目頭が熱くなって、堰を切ったみたいに涙が溢れた。


今さら、こんなのは反則だよ……。



< 346 / 351 >

この作品をシェア

pagetop