【完】好きなんだからしょうがないだろ?
訳がわからないままあたしは玲央に連れていかれて、なんで玲央と一緒に走って、なんで借りられなきゃいけないのって可愛げなく悪態ついていた。
ーーー“お前しかいなかったんだから、しょうがねぇだろ?”
その言葉の意味を今さら知って……。
そんな、玲央の言葉に心の中が温かくなっていく。
少し先を歩く玲央の背中が、あたしには照れてるように見える。
あたしは、堪らなくなってその背中まで走って後ろから抱きついた。
「……三葉?」
「好き……好き。玲央が、大好き………」
あたしは、もうどうしようもなく、好きで。
ゆっくりと振り返った玲央は、一瞬驚いたように目を見張って。
……だけど、すぐにふわりと優しく微笑んでくれる。