【完】好きなんだからしょうがないだろ?



「……あたしは、と、友達を待ってまして。それに、忘れたいことがあって、静かなこの……っ、場所を選びまして」



決して、嘘などついてません……。


日本語として成り立ってるのか自分でも不安になるほど慌てて答えた直後。



「ここって、帝王の昼寝テリトリーって聞いたんだけどなぁ……」


「みっ、見て!帝王が誰かと話してる!」


 
帝王……?


中庭の前を歩く女子達がざわざわと声をあげた。



「極度の女嫌いの轟(とどろき)先輩が……!?」


「こないだも隣町の不良を二段蹴りで病院送りにしたとかいう、あの……?」



轟、先輩……?


に、二段蹴りで病院送り……?



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