今日も僕らはアカツキで生きる。
3年前の2月
2月の中旬
部活動をやっている生徒しかもう学校には残っていない。
今はそんな時間だ。
グラウンドからは野球部の元気な声が聞こえてくる。
そんな私はと言うといつものように人気のない美術準備室にいる。
物置状態にされた準備室の窓辺に立ち、一眼レフカメラに片目の視線を向けて校舎を眺めている。
すぐ前に建っている校舎の4階には理科室がある。
そんな2つの校舎が建っているこの場所には木々が生い茂り、他からは人目に付きづらい。
木々の陰で陽も照らさないせいか薄暗くジメジメしている印象だ。
ーガチャン
鍵を下ろし窓を開けると強い風が一瞬にして吹き付けた。
4階の理科室を見上げると学ラン姿の男子がベランダの手すりを震えるような手で掴んでいた。
カーテンがビラビラと風に揺れている向こうでチラリと見えたもう1人の男子。
手すりを掴む生徒がゆっくりと後ろを振り向いた。
なぜだかそんな光景に胸がざわついた。