今日も僕らはアカツキで生きる。
何かを話して居るんだろうか。
男子がこちら側に顔を戻すのがやけに長く感じられた。
次の瞬間ーーーーー
ザワザワとする胸騒ぎは嘘ではなかった。
私は一眼レフカメラのシャッターを絶えず切り続けた。
ベランダの手すりを強く掴んでいた男子は身を乗り出して、正常に立つ間もなく、自分の全てを風に任せるかのようにして、
宙に舞った…。
(綺麗)
スローモーションのように宙に人が舞う姿はこの世のものとは思えない程、酷く美しい。
こんなにも人間の生が終わる瞬間が美しいなんて一瞬でも思ってしまった私は人間ではないのかもしれない。
絶えずに切り続けるシャッターの音が静かに流れた。
窓辺の下にひっそりとしゃがみながらもシャッターを押し続けた。
ーーーードゥハッッ
なんといっていいか分からない物凄い衝撃音が耳を流れた。
しゃがんでいた私はチラリと顔を出して外を確認した。
そこにはうつ伏せに倒れた男子の頭から流れるどす黒い色の血がアスファルトを染めていた。
ピーポーピーポー
その後、男子を乗せた救急車は学校を後にした。