Bitter love
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『沙那ー!おはよ!』
肩をとんっと叩いて現れたのは、小学生からずっと一緒にいる唯一の親友の松下 楓(マツシタ カエデ)だった。
相変わらず可愛らしい優しい笑顔に、こちらも口元が緩む。
『今年も同じクラスだったよ。2年6組だって!』
何よりも嬉しそうな顔で話してくる楓に、幸せなんだろうなぁと思う半分、今年も迷惑をかけてしまうという思いが半分あった。
彼女は毎年「大丈夫」と言ってくれるけれど、いつまでもその優しさに甘えているわけにはいかないのだ。
『楓、行こう?』
もたもたしてるとチャイムがなってしまう。
2、3年生の始業式は入学式の後に行われるため、入学式の間は出席をとったり自己紹介をしたりするらしい。
だから、チャイム前に座ってないと遅刻扱いにされるのだ。
始業式の日から遅刻なんて、そんなのごめんだ。
約2週間ぶりに肩を並べて楓と歩くと、
なんだか少し、楓の背は伸びているように感じた。
少しだけ早歩きで、それでも春の暖かさに身をゆだねながら、青空の下にある校舎へと足を進めていった。
『沙那ー!おはよ!』
肩をとんっと叩いて現れたのは、小学生からずっと一緒にいる唯一の親友の松下 楓(マツシタ カエデ)だった。
相変わらず可愛らしい優しい笑顔に、こちらも口元が緩む。
『今年も同じクラスだったよ。2年6組だって!』
何よりも嬉しそうな顔で話してくる楓に、幸せなんだろうなぁと思う半分、今年も迷惑をかけてしまうという思いが半分あった。
彼女は毎年「大丈夫」と言ってくれるけれど、いつまでもその優しさに甘えているわけにはいかないのだ。
『楓、行こう?』
もたもたしてるとチャイムがなってしまう。
2、3年生の始業式は入学式の後に行われるため、入学式の間は出席をとったり自己紹介をしたりするらしい。
だから、チャイム前に座ってないと遅刻扱いにされるのだ。
始業式の日から遅刻なんて、そんなのごめんだ。
約2週間ぶりに肩を並べて楓と歩くと、
なんだか少し、楓の背は伸びているように感じた。
少しだけ早歩きで、それでも春の暖かさに身をゆだねながら、青空の下にある校舎へと足を進めていった。