Bitter love


私と理緒が付き合い始めたのは中学3年生の冬からだった。


『俺と、付き合ってみる?』


あの時の衝撃と言葉は、今もずっと頭の片隅に残っている。
とある事がキッカケで、私は男性恐怖症になった。でも理緒は、そんな私を受け入れてくれた。

『幼馴染みなら、大丈夫だろ』

男性恐怖症を治すために、私は理緒と付き合うことにした。彼の言うとおり、他の男子は無理でも理緒だけは自然に話せたし、触れることも出来た。

男性恐怖症が治るまで。

その条件で私は彼と付き合うことになったし、彼は以前より優しくなった気がした。
それでも、本気になったら負けなのだと、誰かの言葉が頭の中で響いていた。





そうやって考え続けてたら
ほんとうに、ただの恋人という名だけの関係になっていた。
理緒がどこの誰とイチャついてようが「どうでもいい」で済ますようになった。
でも、距離が離れることに苛立つことが多くなった。ーーーーーその理由は、分からない。







Coffeeみたいに混ざり合わない関係。
milkもsugarも入ってない。












ただの、BitterCoffeeだった。
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