Bitter love
それだけじゃない。
彼は頭がいい。
それも理数系はずば抜けている。
私自身、小さい頃からテストがくるたびに彼に教えてもらっていた。否、いまだに教えてもらっている。
理緒はノートの作り方がうまいし、相手に教えるのもうまい。恐らく、ノートだけ借りても勉強すれば余裕で70は超える点数をとれる気がするのだ。
そんな感じで長谷川 理緒はよくモテる。
でも彼は、恋愛に興味はない。
むしろ女子と関係を持つことをめんどくさいと思うほどだから、誰も告白しようなんて思わないのだ。
じゃあ、どうして私はーーー?
いつもそこに引っかかる。
仮に、理由が幼馴染みだからだとしても彼の利益にはならないはず。困っているから、と理由にしてもこんなにめんどくさい事に首は突っ込まない。
全く甘さを感じさせない彼に、私の心は苦味が増すだけなのだ。