この物語になんて名前をつけよっか?
少しむす、とした小咲を苦笑いして少年はみつめた。小咲はしょうがないなぁ、と小さく声を漏らしながらもお弁当をあけては再び口を開く。
「まぁ、友希には昔から待たされてるし、もうなれたけどね?」
小咲も苦笑いしてはどこか懐かしそうに笑みを浮かべる。この金髪の少年は林友希(はやしゆうき)、小咲の小学生からの幼馴染だ。小咲がこの高校にくるきっかけになったのもこの少年、友希だった。性別は違うものの、この二人の間にはそんなものは関係ないくらいにこの二人は仲が良かった。今もこうして二人で昼食をとるくらいに。
「ああ、そういやもう一人ここで昼食食べに誘ったんだけどいいか?」
友希はサンドイッチを口にしながらも思い出したかのようにいう。小咲は飲み物を飲みながら聞いていたのかいいよという意味で顔を縦に振る。それをみた友希はその人物に連絡を取ろうと携帯をいじり始めた。メールでのやり取りだったのか友希が送ったであろうメールの返信が早々と来たのが分かった。
「小咲ーもう二人ほどくるらしいんだけどいいか?」
「ああもういいよあたしに許可得なくても。」
返信を見た友希はメール内容を小咲に伝え、再び小咲に許可を得ようとする。それをきいた小咲は一々聞かなくてもいいと面倒くさそうに返した。