この物語になんて名前をつけよっか?
「…ほんとに、やめてよ!!あたしいったじゃん!男が怖いの!!」
明音が口に出す言葉を迷っているとみどりはポロポロと涙を流しながら顔を覆う。明音はその様子を見て何とも言えない表情を浮かべた。どうすればいいか、自分がいま近づいたら明らかに悪化すると思った。明音も明音自身で泣かれるまでの言葉に傷ついて今にも泣きそうなのを抑えていた。そんな時、誰かの足音がこちらに近づいてくるのが分かった。それに顔をあげると近づいてきたのは桃色の長い髪でサイドテールの少女だった。みどりの身長が平均より少し低くて、それよりも少し低い背丈の少女であった。その少女はスタスタとみどりに近づいて行った。明音の隣にはいつの間にか明音より少し背丈が高い紫髪の少年が立って、明音の肩にポン、と手を乗せた。
「ごめんな、俺も止めたんだけど止められねえや、」
とその少年は苦笑いを浮かべた。明音はきょとんと首をかしげながらも泣いているみどりとそのそばへいった少女のほうへ目を向けた。少女は「ねえ、」とみどりに声をかけた。みどりはその声に涙にぬれた顔をゆっくりとあげて少女を見た。その瞬間パァンッと大きな音が響き渡る。