この物語になんて名前をつけよっか?


明音は驚いたように顔をあげる。隣の少年はあちゃーと声を漏らしていた。一方みどりはその音の原因となった人肌より赤い頬を手で抑えながらきょとんとしていた。静かに風がその場を流れる。その風が静かになったころ、頬をひっぱたいた少女は口を開いた。

「…痛いでしょ?」

そういうと少女はみどりの顔を見上げた。再び風がこの場を通り過ぎる。少女はそのままみどりの顔をじっと見つめた。そして再び口を開いたのは少女だった。

「痛いわよね。でもね、あいつのほうが比べ物にならないくらいにいたいはずよね。」

要するに、明音はこれより痛いはずだと少女はみどりに伝えたかった。そんな少女の言葉にみどりはやっと言葉を出そうと口を開いた。

「あんたに、何がわかるのよ!怖い気持ちなんてあんたにわかるわけっ…」

みどりは少女の言葉に何か頭にくるものがあったのかそれを爆発させた。こぶしを震わせながら大声で少女に言い放つ。それに対して少女は態度一つ変えずにただただみどりを見つめた。

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