この物語になんて名前をつけよっか?


先ほどより断然明るい声で少女は言葉を述べた。まるで子供が大人に疑問をぶつけるときみたいに疑問を述べた。みどりは少女の言葉に何も返すことができずにただ、握っていた拳は緩くなりそして開かれていた。

「…男なんて、あたしのことなんて外見でしか見てないのよ」

「それは、あなた自身自分の外見に自信をもってるってことよね。だったら外見でも変えればいいんじゃない?」

男嫌いの理由の一つをみどりは小さく述べたものの、少女はすかさず意見を述べた。外見でモテるなんて思っているなら、それで嫌な思いしているのならいっそ変えてしまえと。
みどりはその言葉を聞けば何も言い返せずにただ口を閉ざしてそのまま去っていこうと校舎内へ足を踏み入れた。
少女ははぁ、と深くため息をついた。明音の隣に立っていた少年がくすりと小さく笑う。少年は少女を手招きすれば少女は素直に明音たちのもとへと足を運んだ。

「いやー、藤。派手にやったなお前。」

そばに来た少女を見下ろしながら少年は笑った。明音はそんな二人のやり取りを首をかしげてみていた。どうやら突然のことに頭がついてきていないようだった。
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