今日から魔王はじめます!
『そして貴女はどこへ?』
「えと、捕虜たちのいるところってどこだったっけ?
確か、“獣の王”アルフレッドさんの領地で」
『東大島のスレイブヤードですか。良いでしょう、そこまでお送りします。
けれど陛下、私も魔物の身。聖力の満ちる統一王都までは行けません』
その言葉に、兵士さんの治療をした時の火花が脳裏にフラッシュバックした。
あんなのが大規模で起こったら、いくら古代幻獣の不死鳥でもひとたまりもないだろう。
「わかってるよ。ありがとう、不死鳥。
そこまでお願いできるかな」
『ええ。日暮れまでに着くように飛ばしましょうか。
少し捕まっていなさい、陛下』
え。ちょ、待って、それって…。
ギュン!!!
風を切り、不死鳥は一気に加速する。その速さはまさに疾風迅雷。
これヤバイやつだ。
と、いうことで私はあっさりと意識を失った。