今日から魔王はじめます!
よし、と気を引き締めて私は息を整える。


門のところには、鱗や翼を持つ悪魔…いや、魔族の人が槍を手にして立っていた。


魔族と魔物のハーフみたいな人なのかな?


見たところ、竜人、って感じがするけど。



「…さあ、行くかッ」



短く息をついて、門へ向かって1歩を踏み出___…


せなかった。



「…ええぇぇぇ!!?」



何故ならば、門番の竜人さんが、私の足元に向かって炎を吐いたからである。


うわぉ、リアルドラゴンブレス……じゃないでしょ!


フーデッドケープのフードが爆風で脱げて、ブロンドの髪が肩にこぼれた。


よ、良かった。かつらはズレなかったみたい…、


と安堵する暇は私には与えられなかった。



竜人さんが、私に向かってまっすぐ槍を突き出したからだ。
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