今日から魔王はじめます!
泣きべそをかきながら、私は立ち上がる。


その時、この監獄が意外と広いことに気がついた。


鉄格子に捕まりながら立ち上がり、恐る恐る後ろを振り返る。


奥は闇に包まれて見えないけど、少しだけ…息遣いが、聞こえる…?



「…誰かいるの?」



返事はない。


もしかしてこれ、寝息…なのかな?


てゆーか、相監獄(悪趣味)って、なんか…イヤじゃない?



「ええと…そこに、いるんですよねー…?」



恐らく寝ているため、私は抑えた声で呟きながら、真っ暗な奥の方へ足を進める。


だって、暗いから、何かしゃべってなきゃ怖いんだよぉぉぉ。


あ、暗いなら、これがある!


ハッとして、私はカバンをさぐった。
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