今日から魔王はじめます!
「これで、よし…っと」



看守の竜人もいないし、これを使っても大丈夫だよね。


私は掲げたスマホを見て、意図せず笑顔になる。



「ええと…そこにいるのは…誰ですかぁ…?」



そして、バッ!とスマホの光を後ろに向かって当てた。


闇に包まれていた監獄の奥が、柔らかいが白い光に照らされて、鮮明になる。



そして、そこにいたのは。



「う…そ………っ」



驚愕の余りからん、とスマホを取り落としてしまった。


…そう、そこにいたのは、鎖で繋がれていた人間。



…それも、完全な白金(プラチナブロンド)の髪を持ち、簡易な軍服に似た服を纏った、


絶世の美少年だった。



私は、しばらくの間、息をするのも忘れて彼に見惚れていた。


そしてハッとして我に返り、スマホを拾い上げる。


うそっ、うそうそ、あんなイケメン、初めて見た!


私と同じか、一つ上くらいだよね!?



あわわわ、心臓がバクバクしてる。
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