今日から魔王はじめます!
「スマホ……?」



耳を、疑った。


今の、目の前の王子様が言ったの……?


まさか、この世界にスマホが……あるわけがない。


私は一回もスマホという言葉は口にしていない。



どうして、どうして彼が、スマホのことを知ってるの?



驚きのあまり声が出てこず、私はじっと彼の次の言葉を待つ。


そして白金色の髪を持つ美少年は、私の顔を見た。


彼も同じように、驚愕の表情を宿しながら。



「その…黒い瞳…まさか」



どくん、と。


心臓が高鳴る。



そして。






「君は……まさか、日本人、か……!!?」






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