今日から魔王はじめます!
意図せず、涙がこぼれた。
理解してくれる人がいた。私の本当の仲間がいてくれた。
心の奥深くに仕舞っておいたはずの不安が、一気に溢れてきたように、涙と一緒にこぼれていく。
まさか、ここに、地球を知ってくれている人がいるなんて。
それは、何の因果か、一番の『敵』である勇者だけど。
不幸だけど、何よりも幸せで。
私はただ、その場で泣きじゃくっていた。
勇者様は黙って、そんな私を見つめていた。
「……ひっく…ごめんなさい、私、いきなり泣いて…恥ずかしい」
「いや、別にいいよ。…で、君は本当に日本人…なのか?」
ああ、また涙出てきた。
『日本人』というワードにこんな安心するなんて、どういうことだろう。
「はい……情けなくも監獄に入れられた、影夜国第13代魔王、一之瀬愛美です…。
そちらは恐らく聖ミスリル統一王国の第一王子殿下では……」
「ああ、わた…いや、日本人相手に気取っても意味ないよな。
俺は、レオナード・ヴィフ・アルジャン。
お察しの通り、人間の国の第一王子で、監獄にいる情けない現勇者だ。
よろしく、魔王サマ」
……なんだろう、この違和感しかない会話は。
理解してくれる人がいた。私の本当の仲間がいてくれた。
心の奥深くに仕舞っておいたはずの不安が、一気に溢れてきたように、涙と一緒にこぼれていく。
まさか、ここに、地球を知ってくれている人がいるなんて。
それは、何の因果か、一番の『敵』である勇者だけど。
不幸だけど、何よりも幸せで。
私はただ、その場で泣きじゃくっていた。
勇者様は黙って、そんな私を見つめていた。
「……ひっく…ごめんなさい、私、いきなり泣いて…恥ずかしい」
「いや、別にいいよ。…で、君は本当に日本人…なのか?」
ああ、また涙出てきた。
『日本人』というワードにこんな安心するなんて、どういうことだろう。
「はい……情けなくも監獄に入れられた、影夜国第13代魔王、一之瀬愛美です…。
そちらは恐らく聖ミスリル統一王国の第一王子殿下では……」
「ああ、わた…いや、日本人相手に気取っても意味ないよな。
俺は、レオナード・ヴィフ・アルジャン。
お察しの通り、人間の国の第一王子で、監獄にいる情けない現勇者だ。
よろしく、魔王サマ」
……なんだろう、この違和感しかない会話は。