今日から魔王はじめます!
「ええと、レンさんは、どうしてここに」


「だから、レンでいいって。敬語もいらない。同じ年なんだろ。


俺も一ノ瀬…いや、面倒だから愛美でいいな。ここ日本じゃないし」



そう言ってレンさ…レンはニッコリ笑う。


整った顔で微笑まれ、私のハートは撃ち抜かれそうだ。



「俺は中3で病気で死んだんだ。それで、気が付いたら金髪碧眼の王子様になってた。


まったく、笑えない冗談だよな。


しかも、魔王も勇者もいるファンタジーときたもんだから」


「ほんと……って、中3?なんだぁ、年下かあ」



少し緊張がほどける。


まとう空気が大人っぽかったから、タメ口に抵抗があったけど、


もう大丈夫そうだ。



「いや、年下じゃないから。16だって。前世と合わせれば31」


「えっ、31!?そんなにおじさんなの、レン」


「だから、それは合計であって」
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