今日から魔王はじめます!
「…わかってる。でも…さすがに牢の鍵は外せないよ」


「いや、その問題はない。鍵は俺の力で外せばいい。


ただ、問題は看守だな。無駄に戦闘力が高い…竜人だからだろうな」



“獣の王”は、よっぽどスレイブヤードが大事だと見える、とレンは言った。


恐らく彼は『人間嫌い』な幹部なのだとも。



「愛美、そう言えばお前はこれからどこに向かうんだ? スレイブヤードは見えただろ?」


「……私の最終目的は、王都だよ。


なんとかして停戦協定まで漕ぎつけたくて、魔王城を出てきたんだもん。


休戦協定を破ったのが魔族側なら、誠意を見せるのも魔族側…それも王じゃなきゃいけないはず」


「確かにな。…それじゃ、共同戦線を張るか」



レンの言葉に、私は頷く。


魔王と勇者。前代未聞…いや、空前絶後の最強コンビだ。


恐れるものなんて何も無い…はず!



脱獄作戦、開始だ。
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