今日から魔王はじめます!
「レン、迷惑はかけないから。私も聖剣を探しに行く!」
「愛美……」
「あ、その!絶対とは、その……言いきれないかも、だけど……」
むしろ全力で迷惑をかけるような気しかしないけれども。
それでも、私、頑張るから。
それに私は、インターハイにも出た剣士なんだから!
「迷惑だなんて、思ってない。愛美が日本人だからかな……やっぱりホッとするんだよ。本当の自分でいられる気がしてさ。
ハハ、なんか俺、初めての仲間を手に入れたみたいだな」
「魔王が勇者のパーティーの一人目とか、寂しいね!」
「余計なお世話だよ。しかも寂しいというかぶっ飛んでるからな」
そう言うとレンは唇を緩ませる。
不意にとくん、と心臓が跳ねた。
ん?……なんだこれ。