今日から魔王はじめます!
そして、体が“光盾”のおかげで光っているので、道が見えやすい。
おまけにさっき休んだ分、体力が戻っている。
レンも力を使った直後ではあるが、切羽詰まった状況じゃないからか、乱れた息を整えるのも早かったし。
……しかし、発光している分だけ、敵には見つかりやすいのだ。
「いたぞ!待てッ」
「ああ、もう見つかった!」
私が嘆くと、
「振り向くな愛美、階段があった!」
「マジで!!」
と言われたので再び全力疾走。
走る途中で落ちた訓練用の木剣を拾ったので装備する。ないよかマシだろう。
「やばいぞ愛美、挟まれた!」
「うそっ!?」
あわてて走りながら前を見ると、そこには竜人の看守がずらり。
皆武器を手にしており、殺気が充満している。
もちろん後ろは追われているので、背後にも看守。
まさにこれぞ、前門の竜人(虎)、後門の竜人(狼)。
……かんっぜんに絶体絶命じゃないか畜生め。