今日から魔王はじめます!
……私は装備したばかりの木剣を持つ。
間合いは残り、およそ40m。
「レンごめん、光を出せる!?なるべく大きいの!」
「ったく、代わりにちゃんと何とかしろよ!
……破邪の光を集めし聖なる燈火よ、魔を祓え。法術典項の一、“聖帝光(セイテイコウ)”!」
カッ!!
白い閃光がレンの手から一気に放たれる。
強烈な光を目に浴びた目の前の看守たちが目を押さえて悶えた。
今が好機。
「キェアアアアァァッッ!!」
私は一気に跳躍すると、裂帛の気合いを発しながら看守たちに肉薄する。
迅速、且つ、正確に。
「小手ェッ!!」
数人の看守たちが手にした武器を叩き落とし、
「面ンンッッ!!!」
振りかぶった木剣で思いっきり面を食らわせていった。
力なく気絶する看守たちに心の中で謝りつつ、私は息を乱したレンの手を掴み階段を上っていく。
光が見えた!地上だっ!!