今日から魔王はじめます!
そ、そんなものなのかな……。


それなら、いいけど。でもやっぱり少し心配だ。



「不死鳥、あとどのくらいで中立区域の街に着くの?レンの手当をしたくて」


『そろそろです。飛ばした方が良いのならば飛ばしますが』


「レンごめんなさい。もう少し待って下さい」



また気絶するのは御免だ。



「それはいいけどお前、金はあるのか?宿に泊まるにも金が必要だろ」


「たっ…確かにそうだね!すっかり忘れてた…どうしよ……」



牢屋に入って、やっとの思いで逃げ出してきたのに、


野宿は勘弁してもらいたいものだ。


精神的にも肉体的にもキツイ。



「しょうがないな。俺の服のボタンを1つ2つ売るか」


「ボタンがお金になるの?」


「まぁな。この服のボタン、水晶で出来てるんだよ」



水晶!


確かに、金や宝石ほどの値段はないけど、クリスタルならお金になる。



「レンありがとう!よろしくお願いします!!」
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