今日から魔王はじめます!
「うう……魔族め…」


「え?家族?」



意味を持ったうめき声に、私は思わず聞き返した。


何、この人。家族を恨んでるの?もしかして、弓矢と火炎放射器を使った、大規模家族戦争の最中なの?


だとしたらどこの戦国時代だ。どこかのお貴族様だろうか。


ならなぜ私を狙ったのだろう。私はあなたの家族じゃないですけど。


しかしこんな精巧な(?)夢を見るなんて、私の脳みそもよほどの妄想ワールドを展開していたと見える。



「おーい、あなた、大丈夫?怪我もしてるみたいだし、慰謝料によっては許してあげないこともないよ?」



夢だから言える、なんとも非道なセリフに自分で呆れる。


いやでも、優しい言葉をかけてあげたくはないだろう。


私は殺されるところだったのだから。


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