今日から魔王はじめます!
白金色の髪は、人間の王家の印。


そりゃあ目立つわ、当たり前だ。


……と、いうことでレンと私は服屋にフーデッドケープを買いに行くことになった。




「ああ……これで、やっと心が休まる」



服屋を出て、深紅のフーデッドケープを纏ったレンが、心から安堵したため息をつく。


お疲れ、レン。


レンのイケメンオーラに惚れて、どんどん女の人に囲まれていったのを、見捨ててごめん。


反省はしてない。



「んじゃ、宿探し、しようか」


「そうだね!」



そう答えて、少しだけ胸が早鐘を打つ。


なんだか、この会話って……カレカノっぽい?


ふつう、男女で宿探しとか、しないよね。恋人でもない限り。


私たちは、同志で仲間で友達だけど(少なくとも私はそのつもりだ)、


なんかちょっと緊張する。
< 173 / 383 >

この作品をシェア

pagetop