今日から魔王はじめます!
……1人用ベッドが、ちゃんと2つあるとは言え。


そのベッドがちゃんと距離を保っていて、健全ではあるのだと思えるとはいえ。



やっぱり、男子と相部屋だという事実は変わらないわけで!


そして、隣のベッドで寝ているのが超絶イケメンだというわけで!!



やはり私と言えども死ぬほどの緊張は戻ってくるものである。



その点、レンの方は問題ないだろう。


顔面偏差値中の上、ファッションにも特筆するほど興味もなく、もちろん学校へもノーメイク、


全てにおいて平々凡々を地で行く私に、あの超絶イケメンが何かの思慕を抱く確率などほぼない。



「愛美、食堂行こう」


「あっ、うん!ちょっと待って、まだ荷物の整理が終わってないの」


「わかった。先行ってるぞ」



さらっと言って、レンはさらっと部屋を出ていく。


くそぅ、超絶イケメンめ。


私も整った顔が欲しい。そうすればきっと緊張しなくて済む。
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