今日から魔王はじめます!
少しして食堂へ行くと、レンは紅茶を頼んだらしく、それを2人がけのテーブルで飲んでいた。


なんだ、てっきり先に食べてるかと思ったのに。



「ごめん、レン。お待たせ。先に食べててよかったのに」


「別に、そうお腹空いてないし」



レンの目の前の椅子に腰掛け、ウェイターが持ってきたメニューを見る。


もちろん紙製の手書きで、やはり素朴だ。


料理の名前と、その絵が載ってあるところを見ると、どうやらこの世界には写真がないらしい。


まぁ、魔力で念写はできるのかもしれないが。



「この世界の食材って、ほとんど地球のものと同じなんだね」


「そうだな。俺もここに生まれてきて、安心したのはそれだよ」



文化もそう異なる部分も見受けられないし、食材も料理法もそう変わったものがない。


魔族の食べるものもごくごく普通で、ゲテモノなんかじゃなかった。



「俺、思ったことあるんだけど」


「ん?」



「聖王陛下か、初代魔王のどちらか、それかどっちも…実は地球人だったんじゃないかって」
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